横山岳
AM8:00に解散する男たち
私が所属している草野球チームは 地元の同級生を中心に構成されています。
そのためチームの8割が30歳。
30ともなると 仕事に趣味に結婚に育児…… 十人十色の人生ドラマが詰まっております。
今年度もチームが始動した4月のある日。
練習試合をすることになった相手チームの申し出により
活動時間が午前8時開始から 午前5時開始へと変更になりました。
いわゆる、「モーニング野球」の時間帯です。
チームメイトに時間変更の旨を伝えたところ
「逆に5時からなら行ける!」 と参加者が急増。
理由を聞いてみると
「早朝なら子どもがまだ寝てるから」
「午前中だと家族との予定があって」
「仕事前に行くよ」………
そうか。
「モーニング野球」は 様々な事情を抱えた大人たちが
集まりやすい時間に活動しているんだなと、
今更ながら実感したのです。

頭を丸め、有り余る体力で白球を追っていた 思春期のあの頃。
朝、集合時間より少し早めにグラウンドに行くと
丁寧にグラウンド整備を済ませ、
缶コーヒー片手に自家用車に乗り込む おじさん達の姿を思い出しました。
平日の仕事で疲れているにも関わらず スーパー早起きをして 休日に大好きな野球をする。
あの頃の動きを追い求めながら
ケガに細心の注意を払い、
1試合7イニングを戦い抜くアラサー達。
試合後、
ある者は、家路につきパパの顔へ。
またある者は、スーツに着替え会社へ。
そしてある者は、腹をすかせ朝ラーへ。
AM8:00に解散する男たちの1日は、 世界一長いに違いない。
