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佐塚崇恭

わたしとパスピエ

ついにリスナーの方から「ブログを更新しないんですか?」というメールが届くようになってしまいました。

タイミングが良いのか悪いのか、数日後には、ブログの更新数でワーストを競っていた小川アナウンサーが「ブログを更新しました」というお知らせがInstagramに……

冷や汗をかきながら、急いで記事を書いています。

2/20(月)の『ラジぱん』に、ロックバンド「パスピエ」のギター担当・三澤勝洸(まさひろ)さんが、電話で生出演してくださいました。

パスピエは、2012年にデビューしたバンドで、私も十年来の大ファンなのですが、三澤さんが山形県村山市のご出身ということで、今回、出演をお願いしたところ、快くOKしてくださいました。

放送の内容は、一週間以内なら、radikoのタイムフリー機能で聴くことができます。

ゲツキンラジオ ぱんぱかぱ~ん | YBC山形放送 | 2023/02/20/月 13:00-16:20

https://radiko.jp/share/?sid=YBC&t=20230220151003

私のCDコレクションの一部。アートワークもメンバー自身が手掛けています


私のパスピエとの出会いは大学生時代、今から9年ほど前になります。

それまで私は「好きなアーティスト」と呼べるような存在を見つけられずにいました。

小学校の高学年のころまで遡って考えると、周りの友人たちは、ORANGE RANGE やポルノグラフィティといった、ヒット曲を飛ばしていたアーティストたちの曲の話をするようになりましたが、私はその話の輪の中に入って行けず、「好きなアーティストがいない」ということが、自分の中の劣等感になっていきました。

今思えば、自分の音楽(特にJ-POP)に対する視野が狭かったことが原因と分かりますが、当時の体験が、無意識的に、私とJ-POPとの間に距離を取らせていたのかもしれません。中学生になると、吹奏楽部に入部したこともあって、ポップスの世界ではなく、クラシックの世界に傾倒していくことになりました。

そんな私が、大学3年生の時、コミュニティFM局(ラヂオつくば)で、ディレクターのアルバイトをすることになりました。FMラジオのディレクターというと、選曲する機会が多く、音楽に対する幅広い知識を持っていなければ務まりません。J-POPの知識が少ない自分にとっては、非常にハードルの高い仕事でした。

それからの数か月間は、勉強の日々でした。毎週音楽チャートをチェックして、流行の音楽を知ることから始め、ラジオの音楽番組も聞くようになりました。気になったアーティストを書き留めて、今ほどまだ音楽のストリーミング配信が多くなかった時代だったので、貧乏学生だったこともあり、足繁くレンタルCDショップに通っていました。

そんなときに出会ったのが「パスピエ」でした。確か、音楽番組ではなく、深夜の芸人さんの番組だったと記憶していますが、パスピエの「とおりゃんせ」が流れた時に衝撃を受け、次の日には、いつものレンタルショップに駆け込んで、アルバムを2枚借りたことを覚えています。

自分に「好きなアーティスト」ができた瞬間でした。多くの方は、きっと私よりも、十年も前にこういった経験をしたのだと思います。ですが、それまではっきりと「好きなアーティスト」がいなかったことで、パスピエと出会った感動が大きくなったんだと考えると、昔の劣等感なんて小さなものだったと、今では思えます。

不思議なことに、パスピエを好きになった後は、どんどんと好きな曲、好きなアーティストが増えていきました。パスピエとの出会いが、私の中の劣等感を払拭し、私の音楽の視野を広げてくれたんだと思います。

私の中では「恩人」とも呼べるパスピエの三澤さんに番組にご出演いただけたこと、本当にありがたく思います。村山市出身の三澤さんが所属する「パスピエ」、ぜひみなさんにも応援していただけると嬉しいです。

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