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子育て応援団すこやか2022

Q&Aのページ(薬に関する相談)

薬に関する相談

子育て応援団のラジオ特別番組に寄せられた質問に専門の先生にお答え頂いたものです。

Q1.坐薬に使用期限はありますか? 数年前にお医者さんでもらった解熱剤の坐薬を冷蔵庫に大切に保管していましたが最近使おうとしたらポロポロと崩れてしまいました。崩れなかったものを子供に使用しました。坐薬に使用期限はあるのでしょうか?

あります。もし気になる場合は処方してもらった薬局で聞いていただけるとお答えできます。解熱剤はお子さんの成長に伴って量が増えます。仮に使えたとしても効果が十分でない可能性がありますから緊急で使っても、受診できる環境になりましたら受診しましょう。薬局で処方してもらった時に、使用期限を聞いておくと慌てることがないかと思います。

Q2.市販の薬の効き目を知りたいです。軽い喉の痛みや鼻水くらいは市販の薬で様子を見ていますが、そのような対処でよいでしょうか?

市販の薬でも症状に合っている薬を選んでいればしっかりと効きます。不明点があればドラッグストアにいる薬剤師にご確認ください。最近の新型コロナ感染症の症状として咽頭痛は注目する症状の一つです。初期の治療は市販薬で良いですが、2~3日しても良くならない、悪化することがあれば早めに受診しましょう。

Q3.保存できる薬とできない薬がありますか?

処方薬は現在の症状、年齢、体重に合わせて調剤されています。小児の場合は急性期の症状で受診されることが多いので症状に合わせて飲み切ります。
調剤された粉薬や水薬、シロップなど家庭での保管状況によっては薬の有効性に影響が出る場合があります。漢方薬を台所に置いていたら1日で真っ黒に色が変わったとお問い合わせをいただいたことがあります。特に、雨が多く湿度が高い部屋では吸湿して黒くなります、乾燥剤などで湿気を避けて保管するか、パッキン付きのタッパーに入れ冷蔵庫に保管、必要量を取り出したら直ぐに戻し結露による吸湿を避けてください。シロップ、例えば去痰剤などは冷蔵庫で保管してください。お薬の屯用で使う解熱剤やホクナリンテープまた、錠剤は保存ができますが使用期限があります。ホクナリンテープは裏面に期限が記載されていますが、坐薬や錠剤は処方された薬局で期限を確認してください。軟膏のチューブは、開封前ならチューブの下に使用期限が記載されています。調剤した軟膏は30℃以下のお部屋で保管しましょう。薬の内容にもよりますが早めに使い切りましょう。

Q4.子どもが40度近い熱なのに元気があります。熱さましを使うかどうか悩む。使うかどうかの見極めのポイントを教えてください。

機嫌、活動度、食欲など全身的な様子を見てください。発熱の原因が推定、あるいは特定できれば、例えば突発性発疹なのかな?感染症、移ったのかな?など予想がつけばそれに対する対処をしますが、原因がわからなければ経過をみてください。本人の機嫌がよく遊んでいればいいですが、ぐったりしている場合は何らかの対処が必要になります。対処法の一つに坐薬の使用も含まれます。特に夜間であれば受診できる医療機関は限られます。夜、坐薬を使用すると一時的でも解熱しよく休めるかもしれません。日中であれば食欲、水分補給し様子をみます。ただし、お子さんの体調は急激に変化します。高熱でけいれんをおこすなど体調の変化に気を付けましょう。昼寝もできない、水分が取れない、辛そう、遊べないなど活動性が下がり、坐薬を使っても熱が2,3日続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。受診時は、坐薬の使用回数や使用時間、体温の変化などお薬手帳に記録しておくと医師も経過を把握しやすいです。

Q5.食前に飲み忘れた薬を食後に飲んでも大丈夫? 飲むタイミングというのはどう決められているのですか? 飲み忘れたら次は2回分を飲ませてもいいですか?

従来処方時に「1日3回食後」と指示されることが一般的ですが、これはあくまでも大人を基準にしています。子供、特に乳幼児の食事時間は不定期になりがちです。また、食後ではお腹いっぱいで、寝てしまったり服用を嫌がったりすることもあります。食後にこだわらず授乳前、食前でも構いません。ただし抗生剤など服用方法が決まっているお薬は薬の効果に影響するのでその指示に従います。また、「こどもは小さな大人ではありません」。体の大きさだけでなく臓器の発達の程度、消化管機能や腎機能、薬物代謝酵素の発現、体水分量、体脂肪量、皮膚の厚さなど薬物の体内動態に影響を及ぼす多くの相違点があります。飲み忘れた場合は、医師や薬剤師に相談してください。過量服用、副作用が出るリスクにもつながりかねません。2回分を飲むことは絶対やめてください。
子供たちは、自分の薬にすごく興味があります。兄弟が多く、どの子の薬をいつ飲ませたか、混乱しないよう受診科ごとに、また、子ども別にお薬カレンダーを活用すると誤飲防止対策になり、子供たちも自分の薬を飲みことに前向きになることもあります。

Q6.子どもが薬を飲むのを嫌がります。水以外のもので飲ませてもいいですか?

薬を飲むのを嫌がる理由は何なのかを考える必要があります。服薬拒否が多い年齢は1-3歳です、「味がいや、苦い」、「感覚、ざらざら感」「量が多い」などがあります。水薬、シロップは甘みを強くしたり、ゼリーなど固形のモノと混ぜたりして飲ませ方を工夫してください。錠剤はあらかじめ水を含ませ口の中を湿らせ十分な量の水と一緒に飲ませます。最近は、チュアブルやOD錠など水なしで飲めるタイプの錠剤も出ています。薬については、迷ったら相談できる、かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師を日頃より決めておくことをお勧めします。