ものづくり応援ウィーク2024
株式会社山形県自動車販売店リサイクルセンター
株式会社山形県自動車販売店リサイクルセンター
- 渋谷 誠一さん 42歳 フロント業務 山形工業高卒
会社について教えてください
渋谷さん
当社は、「自動車の販売から使用済み自動車の適正処理まで業界で責任を持つ」というコンセプトに基づき、県内18社の全メーカーディーラーが、出資をして作られた会社です。
使用済み自動車から環境破壊に繋がる恐れのある、フロンガスやエアバッグ、シュレッダーダストなどを適正に処理しています。
使用済み自動車には、まだまだ利用できる部品がたくさんあります。その部品を丁寧に外して、再利用できる部品としてメンテナンスし製品化しています。取り扱っているリユース部品は、ドア、バンパー、タイヤホイールそしてエンジンや電装部品など自動車のあらゆる部品を生産し、東根と庄内の事業所に約3万点の在庫があります。
自動車業界は日本の基幹産業です、それを支える大切な仕事と捉えています。未来の循環型社会へ向けて、これからさらに重要になってくると思います。私たちの仕事は本業を通して直接的に業界や社会に貢献できる職業ですし、私自身とてもやりがいがあります。
貴社の製品や活動はどんなことに役に立っているか教えてください
渋谷さん
リユース部品を生産し、使用することは地球温暖化の原因となるCO2の排出削減に役立ちます。新しい部品を製造する際には新たなCO2が発生しますが、リユース部品を使用すれば、その分のCO2が削減できます。また以前は車体と一緒に廃棄処分していたものですから、処分する際に発生するCO2も発生しないことになります。
再利用できるリユース部品の活用を増やしていくことは、新たに発生する温室効果ガスを抑え、国が進めているカーボンニュートラルや世界的に問題となっている地球温暖化防止に繋がっていきます。
また、当社では、山形大学と共同でリサイクルの研究をしています。昨年、数年前から取り組んでいた自動車の排気ガスを処理する”触媒”からレアメタルを回収する方法についての特許を取得しました。クルマは世界の最先端技術の集約です、部品もそうですが、素材一つ一つまで再利用、つまりリサイクルできれば、限りある資源の保護と技術革新の発展につながると考えています。
渋谷さんの仕事で自慢の技術があれば教えてください。
渋谷さん
現在私は、フロント業務として県内各地から電話やFAXで来る部品の問い合わせにお応えし販売しています。
自動車の部品は一台で数万点あると言われています、同じ品番の部品でも年数や状態の違いがあり、その中からお客様が求める部品を1点1点検索し、整備工場様に入庫しているお客様のお車に、ベストな部品を提案することが求められます。そのためにもお客様とのコミュニケーションをとても大切にしています。以前のエンジニアの経験も活かし、より満足していただける提案を心がけています。
ご自身は、どんな高校生でしたか?
渋谷さん
子供のころから、車や機械が好きで工業高校に入りました。学校で学んだ様々な機械の実習や構造の勉強を通して自動車への興味がさらに深まり、エンジニアの道に入りました。その経験が現在の仕事にも大きく役に立っていて学校で学んだこと、社会に出て経験したこと、そのすべてが私を成長させているんだなと感じます。
未来を担う高校生へ応援メッセージをお願いいたします
渋谷さん
部活や勉強、実習など、色んなことにチャレンジして好きなことを見つけてもらえたらと思います。多くの事を学び、多くの人と交流を深め、高校生活というかけがえのない時間を大切に過ごしてください。必ずや、将来の人生の心の支えになっていくと思います。
これから先の、魅力ある未来を創っていくには、皆さんたち若い人の力が必要です。避けて通れない環境問題やリサイクルへの興味も少しでいいので持っていただき、ともに夢ある将来へ向け一緒に頑張っていきましょう。
その他
渋谷さん
私達は、「リ・ユースがかっこいい!」をキャッチフレーズに、持続可能な開発目標SDGsに取り組んでいます。循環型社会を目指し、限りある資源を未来へ活かします。
リデュース(ゴミ削減)リユース(リサイクル)リサイクル(再資源化)の3Rを軸に使用済み自動車の適正処理を実践している工場現場を公開しております。年々高度化が求められる解体システムの様子などもご覧いただけますので、是非おいでください。