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11月のテーマ「引き継ぐ人」
○11/12放送
【11月のゲスト】
新庄東山焼 涌井 大介さん
【プロフィール】

新庄市出身。山形短期大学卒業後、山形市から新庄市へ戻り作陶を始める。六代続く地元新庄の伝統ある窯元で、「どなた様からも親しまれ、日常の生活の中でご使用していただける陶器を製作する」という家憲を守る。各種展示会、グループ展を開催。
山形工芸の会所属、新庄市民プラザ陶芸教室講師。

メインパーソナリティー:奥山知寿子さん
11月のキーマン   :丸森 周平さん
11月のゲスト    :涌井 大介さん

「小さい街だからこそできることがある」

【奥山】新庄東山焼7代目として引き継いで何年ぐらい?
【涌井】―短大を卒業後、山形市のイベント会社のスタッフとしてぬいぐるみショーなどの仕事をしていた。24歳の終わりぐらいから新庄に戻って、作陶に取り組み始めました。そもそも、幼児教育の先生になりたいという夢があって、学校に通いながら、考えて思い悩むこともあったんですが、新庄の地元の良さに気付いて戻って、作陶をやりたいと思いました。

【奥山】子どもの頃から土に触っていたりしました?
【涌井】―土で遊んでいたりもしました。家業というのもあり、家に並んでいる陶器が全て手作りのものばかりなんです。友達の家に遊びに行くと、キティちゃんのお皿やカラフルなお皿があって、うらやましいところもあった。その憧れもあり、家業に対して必ずしも好意的な想いは持っていなかったかもしれません。
【丸森】―子どもの頃は、いつも大浴場に入っていました。ただ、テレビで入浴剤のCMを見て、使ってみたいな、うらやましいな、普通の風呂だったらよかったのになと思っていました。

【奥山】新庄東山焼について教えていただきたいのですが?
【涌井】―天保12年(1841年)に始まり、私で7代目です。6代目の父は、広島県呉市の出身で、東京でテレビ局関係の仕事をしていて、土井勝さんのカバン持ちをしていたらしいです。芸能界の友人も多く、麻雀友達はドラえもんの声の大山のぶよさん。仕事で新庄に来た時に、当時受付のバイトをしていた母にひとめぼれしたらしいです。「かよこ(母)のためならこの家を引き継ぐ」という覚悟があったらしいです。

【奥山】素敵ですね、丸森さん?
【丸森】―はい。憧れたいところですね(笑)

【奥山】では、お父さんは修業されて?
【涌井】―陶芸の知識は無かったので、先輩方の話を良く聞いてがむしゃらに作り続けていたらしいです。新庄東山焼は新庄市の下の地層にあるような粘土地層を自分たちで採取して、木の根や砂利などの不純物を取り除き、精製してつくっています。1年ぐらいの期間をかけながら粘土をつくっていきます。

【奥山】新庄に戻られて、いざやってみての失敗や、むしゃくしゃしたことはなかった?
【涌井】―ろくろもそうですが、自分の頭で考えていることと、手で触って整形している段階で、思った通りにカタチにできなくなると「なんだ」と思うことはあります。

【奥山】自分と向き合わなければならないお仕事なのかなと思うのですが、発散する場はありますか?
【涌井】―作り始めたときに、山形のグループ展に参加させていただいたことがあった。ただ、当時作品に対して気持ちを込められていない頃があり、それが表れてか全く売れない時期があった。落ち込みましたが、もっと頑張らないとと思うようになり、徐々に焼き物を好きになっていくうちに、売れるようになったと思います。
【丸森】―以外と私もひとりでマラソンをするのが好きなので。私は美術や芸術の才能が無いのですが、うまくできる才能さえあれば楽しいのかなと思う。

【奥山】次の時代に繋がなければならないというプレッシャーは?
【涌井】―代を繋いでいかなければいけないような思いではなくて、今その時代で喜んでいただけるような物をつくってやっていくことで、自然に次の時代に繋がっていくのかなと思う。ですので、特にプレッシャーということではなく、皆さんが喜んでくれるものを作り続けることが大切かなと思います。

【奥山】実際に、作品をスタジオにお持ちいただきました。
【涌井】―金魚鉢は、丼ブリ型になっていると思います。削る作業をしているとたまに失敗して、穴が開いてしまうこともある。それを活かせないかと遊んでいるうちに生まれた作品。

【奥山】自分らしいカタチを追求したいという思いがある?
【涌井】―いろいろな職人さんとコラボレーションした作品になっています。近所のガラス屋さんや、コケ玉職人の方に相談していたりして作品になっている。地元山形で頑張っている人とコラボレーションしていくことで、新しいものが生まれてくるのかなと思う。

【奥山】今後もまた組んでいきたいと考えている?
【涌井】―そうしたいと思っています。今は、絵本作家さんに絵付けをしていただいて、陶器製のこけし風「おちょこ」「とっくり」をつくっています。焼き物には無限の可能性があるということを伝えていきたい。

【奥山】時代の流れにもあわせて?
【涌井】―今でいうと、核家族化が進んでいて、規模も小さくなっていると思う。昔は玄関先に一尺のタヌキがどーんとあったりしたが、今はそれぞれの部屋に合うような小さなものでもよいと思う。それぞれのライフスタイルに合うもの、実際手にして使ってほしいものを作っていきたいと思います。

【奥山】伝統から新しいものに変化させていくことへの反対とかはなかった?
【涌井】―うちの社長からは受け入れられないこともあったが、自分の思いを伝えると「やってみたらいいんじゃないか」と背中を押してもらえた。

【奥山】家業を継ぐとは?
【丸森】―最初は覚悟が必要なんですが、今まで勤めていただいた従業員の方や、昔からのお客様などいろんな人に支えてもらっているなと思います。
【涌井】―昔ながらのお客様との歩調も合わせながら、新しいことに挑戦していきたいと思っています。

【奥山】今後踏み出したいと思っている人へのメッセージは?
【涌井】―もともと焼き物の知識が無い状況から、今新しいものをつくろうとしている。新庄には、新しいことをすることができる環境がある。小さい街だからこそできることがある。人との距離も近いし、やりたいことは積極的に言ってみて、つながりをつくってやってみればいいと思います。



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